学事局 言語教育推進室
上智大学卒業後、イギリスの大学院で応用言語学を専攻。2016年度に上智学院へ入職し、学生センター、言語教育推進室、グローバル教育推進室を経て、現在は言語教育推進室で英語カリキュラムの企画・運営、教員・学生支援などを担当。
語学の可能性を、次世代に届けたくて。
上智大学とイギリスの大学院で応用言語学を学んだ経験が、今の私の原点となっています。異国の地で外国語を通じて自分自身を語り、価値観の異なる人々と関係を築く中で、語学が人の可能性を大きく広げる力を持つことを肌で実感しました。その気づきを教材開発やプログラム開発という形で次の世代に届けたいと思い、英語教育に関わる仕事を目指すようになりました。
「人が変わるきっかけになる」仕事に関われるかどうかを就職活動の軸とし、英語教育に関われる業種を中心に活動をしていました。そんな中、学部時代の恩師が上智学院専任職員の公募情報をSNSで共有しているのを見つけ、教育業界でありながら業務範囲が広いことや、教育・研究の成果のために純粋に力を尽くせる環境に強く惹かれていきました。母校であることも後押しのひとつではありましたが、それ以上に「ここでなら自分のやりたいことができる」という納得感が大きな決め手でした。
2016年度に入職してからは、留学生支援や国際学生寮の運営に携わる学生センター、英語カリキュラムの企画・運営を担う言語教育推進室、留学プログラムの運営を手がけるグローバル教育推進室と、3つの部署で経験を積んできました。現在は言語教育推進室に戻り、英語カリキュラムに関わる企画・運営、そして学生・教員支援を担当しています。

見えない課題を、データで見つけ出す。
現在の主な仕事は、新入生の英語クラス分けテストの運営や、年間の学習進捗度確認テストの取りまとめ、学生からの履修相談や教員からの授業運営に関する相談対応など多岐にわたります。日々のルーティンを大切にしつつ、業務を遂行していく上で感じた疑問や課題を解消すべく、扱っているデータに、業務改善につながるヒントがないかも模索しています 。108ある必修科目の授業アンケートや2,400名の学生の英語試験スコアといった、マスデータを扱う立場だからこそできることであり、また、やらねばならないことだと考えています。
例えば、以前の英語のクラス分けはテスト一回のスコアだけで決められていたため、自分の英語力に合ったクラスに割り振られていない学生も一部含まれており、クラスのミスマッチについて教員からフィードバックをいただくこともありました。そこで学生の持つ英検やTOEFLのスコア情報も組み合わせてシミュレーションを重ねていき、新しいクラス分けの方法を提案し、承認されて実装されることとなりました。これは、教員から寄せられた課題を、データを使って解決した事例のひとつです。また、秋入学者数が増加傾向にあることをデータからいち早く察知し、少人数制の英語必修科目が定員を超えかねないと判断。入学者数の予測を立て早々にクラスの増加を提案し、副学長に提案するための根拠資料を準備するなど、先回りして対応したこともあります。
全体の傾向や課題になり得ることをいち早く察知し、数字から読み取れることを言語化して教員に共有する。それが、多くのデータを取り扱う自分の使命の一つと自覚し、改善につなげようと日々工夫しています。英語主任の教員とは1日に何度もやり取りをしますが、上智には教員と職員が互いの持つ情報や見解を交換しながら相談し合える文化があり、それも仕事のしやすさにつながっていると感じています。

迷ったら、挑戦してみればいい。
「迷ったらとりあえず挑戦してみる」。これが、今の仕事にも通じる自分なりの信条です。学内発表や国内外への派遣など、チャンスがあればなるべく参加するようにしてきました。もちろん失敗することもありましたが、周囲の支援に感謝しながら挑戦を重ねることで、自分の経験を広げてこられたと感じていますし、学生にもどんどん挑戦してもらいたいと考えています。
以前、実践型プログラムでアフリカ諸国へ学生を引率したことがありました。英語でのコミュニケーションに抵抗なく飛び込める学生もいれば、難しさを感じながらも何とかついていこうとする学生、葛藤しながら一歩を踏み出せない学生もいました。しかし英語に難しさを感じる学生が、ある出来事をきっかけに、その後のコミュニケーションに対する姿勢が見違えるように変わった瞬間を目の当たりにしたのが印象的でした。学生が一歩を踏み出し、生きる姿勢を変える瞬間に立ち会えたこの出来事は、この仕事ならではの魅力だと感じています。
「語学の上智」と呼ばれるように、上智大学では22言語の授業を提供していますが、そのなかでも英語はほぼ全学生が履修する必修科目です。その運営に携わり、学生の学びの基礎となる語学教育に貢献できることを光栄に感じています。
ただ、英語のテストで一定の点数を取れれば十分というわけではありません。 自分の考えを発信し、異なる考えを持つ相手と理解し合い、共に何かを創り上げていく。そのような力を持つ学生が増えることが、語学教育や留学を通じた成長だと考えています。
別のエピソードとして、コートジボワールで実践型プログラムを引率した際、主なやり取りは英語でしたが、滞在先の受入大学とのフェアウェルイベントで本学から参加したメンバーの一人がフランス語で挨拶をする場面がありました。その方のフランス語学習歴は数年程度で、大学の第二外国語レベルでしたが、挨拶が終わると、それまで英語でやり取りしていたときにはなかったような、熱気を帯びた力強い反応が起こりました。フランス語を母語としないゲストが気持ちを込めて話をしたからこそ生まれる感情や、人と人との交流があるように感じました。
かつて、語学を好きになるきっかけを与えてくれた恩師から「言語はどれだけ身に着けても荷物にならない」と言われたことがあります。身に着けた語学力は必ず人生を豊かにしてくれると実感しています。それは、生成AIでテキストや音声を出力するだけでは代替できない領域です。今後は、生成AIの時代における言語学習のあり方や、時代に合った教育の事例についても学びながら、教員とともにカリキュラムの更新に貢献していきたいと考えています。
学生には、上智にある数多くの機会を使い倒し、どんどん成長してほしい。専門知識だけでなく、様々な学問分野を学び、学外者による講演や交流に触れ、多様な背景を持つ学生や教職員との関わりを通じて、自分なりの人生観や哲学を育ててほしいと思います。そのような成長のための「きっかけ」になるような仕掛けを作り出せることが、大学職員という仕事の魅力であると考えています。

one day schedule
1日の過ごし方
- 9:00出勤
メール・チャットの確認
- 10:00教員との委員会
英語カリキュラムに関する委員会に出席
- 11:30ランチタイム
- 12:30窓口対応
学生からの履修相談や各種相談に対応
- 13:30事務作業
会議の議事録や必要書類を作成
- 15:30打ち合わせ
学事センターなど他部署と相談事項のすり合わせ
- 16:30事務作業
メール対応と、その日の業務を部署内で共有
- 17:00退勤









